◆生後2年〜


ボーダーコリーにとって
この上ない山場を迎え
とりあえずは乗り越えてくれた感謝を
君たちと君たちの祖に

>>生後730日<<
ぱんぱかぱーん。
ぼんやり日々に流されて過ごしていたら、2歳でした。

2歳。……2歳かぁ。
思えば遠くに来たもんだ。

ボーダーコリーとその飼い主にとって、この2歳という節目は本当に大きな意味がある。
知っている人には大きく頷かれることであり、知らない人にはなぁにそれ?な問題ではあるのだけど。

ルークとその妹ルクちゃんに関しては、とりあえず可能性はない。
…と言って良いのかも知れない。
CL症。
血統的に発病する可能性が低いことはわかっていたとは言え、遺伝病であるからには100%ないと言い切ることの出来ない病気だったから。ふとしたルークの仕種に、ドキドキしたり、飛びついて全身撫で回したり。
そんな冷や汗ももうかかなくていいと思ったら、この上なく幸せな気がする。


今年に入ってから、ルークはずっと病気がちだった。
恐れ多くも飼い主の誕生日間近に、膵炎を発症し40度の高熱を出して病院に運び込まれたりなどして。
血液の検査で異常が判明して、よくよく調べてみれば、膵炎の症状。
ウチで診るのは4年ぶりです、と言われるほど、珍しい病気を患ってしまった。
本来ならば、もっと年を取った犬が罹る病気であって。各方面から指摘があったように、特別カロリーの高そうなものを食べさせた覚えもなく。
病院側の判断としては、十二指腸からの感染だろうと言うことで。わけがわからないながらも、そのまま一週間の入院。
ペット保険に入っていたのはいいのだけど、まさか本当に使うことになるとは思いもしなかった。
退院後も、10日に1度は病院に通い、血液検査をして、病院食を受け取り、飲み薬を受け取って。
症状が治まって、薬をまとめて貰うようになってからは来院頻度が減ったはいいものの、飲み薬は継続し続けて。
病院食も薬も切ることができたのは、3月のこと。
財布も痛いが、入院中は毎日、血液を抜かれ、点滴に縛られ、エリザベスカラーをつけなければならなかったルーク。
生まれて初めて育った家から引き離され、飼い主とも別れて一週間。
通院するたびに、検査ばかり。おやつはすべて取り上げられて(現在も継続中)、犬になど病気の理解があるわけもなく。
意味不明に混乱することも多かったのではないかと思うけれど。
再発の可能性が高いことを上げられていた、それを裏切って、現在までも再発する様子はなく。
完治したと言ってもいいほどに回復してくれた。
19kg近かった体重が17kgになって戻ってきたときには痛々しかったけれど。その後20kg近くにまで増量し、ダイエットによってまた18kg。

ねえ、だから。健康ってのはいいもんだ。
飼い主も犬もつらくても、入院して点滴して薬飲んだら治るのなら、それはとても幸せなことだ。
入院しても点滴しても手術しても何をしても治らないCL症なんて、狂気の沙汰だね。

先日から、肛門を舐めに舐めて真っ赤にお尻を腫らしたルーク。
処方された塗り薬を塗って、…多分一時的なものだったんだろう。
ほとんど赤みは引いた。
別に炎症でもなんでもなくて、ただの舐めすぎ。

飼い主が考えられる限りの最悪の予想をして病院に連れて行ったって、だいたいは薬を処方されて、その翌日にけろっと治ったりして、飼い主に治療費を後悔させるんだから。…それはとても幸せなことだ。


健康の前では、多少唸り癖が治らなくてもよく噛みついて指に穴を開けても、ドライバーの握りを囓っても、シーちゃんを追い掛けてお隣の家に入り込んでも、吠えても唸ってもスイッチオンしても!
どれもこれも、大した問題では、ないよね。

そんなことを思った半年間でした。




2歳を迎え、人間で言うと既に「少年」というのもおこがましく、立派に働き盛りであろうと思われるルーク。
妹や弟には似ずに、まったりマイペースに日々生きている。
人にも犬にも喧嘩は売らず、売られてもそのまま放置。
よく言えば大人しく扱いやすいボーダーであり、悪く言えば臆病で慎重な犬になった。

いつか、ドッグカフェで聞いた、2歳のオスを襲う性格の豹変とやらも、教えてくださった方には申し訳ないが、おそらくないだろう。
周囲でのみ認知された独自の分析だったのではないかと思う。
あの方々が日々扱われているボーダーのほとんどは血縁関係にあるようだし、それもあるのかも知れない。
少なくとも私が知るオスのボーダーでそのような豹変をしたという話は、彼の兄弟、父、叔父、血縁関係にないお友達も含めて、ついぞ聞いたことがない。
どの子も、思慮深い、甘えたがりの男の子達だと思う。もちろんそれは飼い主さんの尽力の賜だろうけども。




相変わらずルークは唸る。どうもそれが不快や威嚇ばかりを訴えたものではなく、感情も多分にそれに含まれていることが最近わかってきた。人間のように話すことの出来ない犬が、それでも精一杯音にして自分のことを伝えようとしている。
そんな感じが、冗談なくするので笑えない。
最初は、威嚇や不快を訴えたものだったのだろうけども。声を出せばかならず人間が自分を注目することに気づいたから、嬉しいことも辛いことも嫌なことも悲しいことも、声に出して表現するようになったのかも知れない。
唸り声の種類で、最近何を訴えているのか判断がつくようになってきたのは、なんとも複雑な気分であったりもする。


朝一番に逢いに一階に下りると、時折お腹を見せて服従ポーズを取ることがある。
いい傾向だと思う。
また、一度口に入れた食べ物を、出しなさいと言って手のひらを出したとき、嫌々ながらも半分かみ砕かれたそれを返してくれたときには感動した。犬にこれほどの自制力があるとはね。
これもいい傾向だと思う。少なくとも去年の私にはさせられなかった。


実際のところ、1歳未満の頃の暴れっ子がまるで別人(犬)のような大人しさである。
同じ部屋にいてもその存在を気づかせないことすらある。
さて、ボーダーコリーという犬はこんな犬だったのか。
拾い食いや無駄吠え以外であまり飼い主を叱らせなくなったのは、大人になってきた証のようにも思えるが、ごろーんと寝転がって、玩具のホネを両前足でつかみ、噛んだり落としたり転がったり足をばたつかせたりしている様は、赤ん坊の頃と変わりない。



今年初めから、まったりとドッグカフェで開催される躾け教室に通っている。月に1〜2度のごくごく少ない頻度ではあるのだけど。
つまりはまだ数えるくらいしか参加していないにもかかわらず、制されるということはルークに非常に大きな影響を与えたようで、行動にメリハリが出てきた。
それでも本当に興奮したときにはコマンドもなにもすっ飛んでしまうのは、今後の課題のようにも思う。


ボールやディスクのレトリーブはほぼ完璧である。
よほど注意を逸らされる何かがない限りはボールもディスクも人間の手に渡してくれる。



とりあえず今は。
無事に2歳迎えられたことを素直に祝おう。
おめでとうルーク。おめでとうルクちゃん。
おめでとう、まだ見ぬ6頭の同胎犬たち…!
どこか知らない遠い土地で、暖かく飼い主さんに祝われているといいと思う。




●できるようになりました
  「くるり」。指で円を描いて回らせること。
   ほぼ確実なレトリーブ
  「ハウス」で、自宅内に直行。



●この言葉をおぼえています
  にゃーにゃー(近所の猫)、メイちゃん(ドッグカフェの犬)、おしっこ(空き地へ散歩)
  病院、お留守番、バイバイ、ねえちゃん(私)、にいちゃん(弟)、キライ、可愛い、
  バカ、アホ、うしさん(牛のぬいぐるみ)、ブロッコリー、誰か来た



●課題は…
  噛み癖。(…………。)
  完全なる呼び戻し。
  唸り癖改善(既にコミュニケーション手段と化している)


●野望…
  あれ持ってこーい、これ持ってこーい。…をさせるのだ☆



●特筆事項
  ギターは一生克服できs(略)